格付け会社 2008 3 23

書名 格付け洗脳とアメリカ支配の終わり
著者 本山 美彦  ビジネス社

 いまだに格付け会社(credit rating agency)に対する不満や批判が鳴り止まない状況です。
しかし、私は言いたい。
これに関しては、格付け会社に責任はなく、投資家の自己責任の範囲内であると。
 ここで、投資の大原則(掟)を確認したい。
一 中身が理解できない商品を買わない。
二 リスクの分析が自分でできない商品を買わない。
 投資家ならば、耳にタコができるほど聞いている大原則でしょう。
こうした大原則、いや掟を破ってまで、金融商品を買ってしまったのだから、
もはや「投資家の自己責任」と言わざるを得ないのです。

運動会の格付け
 日本では、9月中旬から10月上旬が、運動会シーズンです。
そこで、このような話を作ってみましょう。
小学校の運動会における母と子(A君)の会話です。
母「運動会の50メートル競走、最後まで、あきらめずに頑張ってね」
子「僕は、1番になるよ」
母「ええっ。うちの子は、足が遅いのに、どうして。
  足が速くなったの?」
 母親が気になって調べてみると、学校の配慮があった。
運動会という「晴れの舞台」なのに、
足の速い子供は、いつも早く、いつも1等賞、
足の遅い子供は、いつも遅く、いつもビリ。
 親が見に来ているのに、これでは、かわいそうと思って、
子供の運動能力に格付けをした上で、グループ分けをして、
せっかくの「晴れの舞台」で大活躍できるようにした。
 つまり、足が速い子供は、足が速い子供同士で集めて、
50メートル競走を走らせる。
足が遅い子供は、足が遅い子供同士で集めて、走らせるのです。
 こうすれば、運動会で、万年ビリだった子供も、
1等賞になる可能性が出てくるのです。
 A君も、運動会では、いつもビリになる可能性が高かったのですが、
生まれて初めて、50メートル競走で1等賞になりました。
 「1等賞になった」と喜ぶ子供、
50メートル競走の新ルール(からくり)を知っていても、
「何だか、うちの子供は速くなった(錯覚)。
うちの子供の格付けは、1番になった(これも錯覚)」と喜ぶ母親。
 このような格付け(からくり)ならば、美しい風景になりますが、
万が一、金融商品において、こうした格付け(からくり)が行われると、
大いなる誤解を招くでしょう。















































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